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42.月餅
中秋節が始まりました。
保山のスーパーの店先には華やかに月餅が飾られ賑っています。
値段も1個1元のものから、
豪華な化粧箱に詰め合わせた1000元を超える贈答用まで様々です。
特に今年は、健康志向から甘さ控えめのもの、
皮や餡に野菜、アワ・ヒエ・大麦などの雑穀を使う
新しいタイプも人気があります。

中秋節の1週間ほど前から
日ごろお世話になっている役所や取引先を中心に
月餅を持って挨拶に行きます。
幼稚園からも毎年各家庭にバースデーケーキのような大きさの月餅を
お土産に持って帰ってきます。

皮が薄く餡がたっぷり入っている
広東風月餅が大都市では人気ですが、
雲南の月餅は一風変わった趣です。

雲南名物の生ハムを使った「雲腿月餅」。
皮と餡の割合が4対6と、皮が厚くつくられています。
中身は細かく切った雲南ハムをラード、蜂蜜、砂糖、松の実であえ、
薄くのばした白餡で包まれています。
表面は月餅の模様型を使わず、パイ風の皮で丸く形成して、
表面に卵を塗り、オーブンで焼き金色に仕上げてあります。

加工場近くのサトウキビ畑からとれた
ジャリジャリとした食感が残る砂糖の甘み、
塩がきいた独特の香りがある雲南ハムの旨みが、
皮の油と共に口いっぱいに広がります。
プーアール茶と一緒に食べると脂っこさがなくなって
味の深みが増します。
すべての材料を地元の特産品を使って作った月餅は
雲南の文化と歴史を感じることができる1品です。

我が家ではサトウキビの穂をススキにみたてて飾り、
お団子を作ってお皿に盛り、巨大月餅を切り分けて、
中秋の名月をお祝いしています。
農場から見える星空と月は格別、
天の川や星座の鮮明さはプラネタリウム以上。
まさに星降る秋の夜です。


2010年9月22日(水)

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