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38.真夏の宴

9月中旬からコーヒーチェリーの収穫が始まるのに備えて、
収穫用の通路の除草作業が急ピッチで進められています。
雨で畑に出られない日は、
来年度の植えつけ用苗の鉢上げを行っています。

二つの作業が終了すると、
農園の主任・スタッフとその家族が集まって
レストランで食事会が開かれます。
3か月に及ぶ雨季の除草と施肥の作業は単調で重労働。
スタッフの疲労とストレスがピークに達しています。
リフレッシュのため慰労を兼ねての食事会は
皆が楽しみにしているイベントです。
農園のスタッフは、家族の生活費や学費を稼ぐために
辺境の村から出稼ぎに来ています。
普段スタッフは貯金をするために節約し外食をしないので、
外食は特別なごちそうです。

田舎のレストランにはメニュー表はありません。
店頭に並ぶ食材の中から
食材の組み合わせ・味付け・調理法の
好みを伝えて注文していきます。
料理が出揃うまで時間がかかるので、
男性スタッフはお酒を飲みながらトランプに興じます。
女性達はテレビドラマや歌謡番組に釘付けです。
農園では簡易水力発電機で電力を起こしている為
普段テレビをつけることが少ないのです。

いよいよ食事が始まるとコーヒーの話題になります。
「農園のB地区の道幅を太くする工事ができないのか?」
「運搬機が入れればもっと作業がしやすい。」
「コーヒーはあんなに苦いのに都会の人はどうして好むのか?」
など。女性はもっぱらファッションや髪形、
美容の話題でもちきりです。
驚くことに農村の人が話題に上げ
憧れている日本のブランドがあります。
ソニーの電化製品と資生堂の化粧品です。

食事の後は家族ごとに民族舞踊や出身地の歌を披露して
真夏の長い夜が更けていきます。


2010年8月25日(水)

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