近年、加工場の周辺の村で新しい商品作物が導入されています。
その名は火龙果(ホォロンゴォ)。
ドラゴンフルーツです。
加工場の若いスタッフも自宅で栽培し副収入を得ています。
王さん23歳は、タイ族の村に住む二人兄弟の弟です。
趣味はNBAを観戦すること。
兄の結婚費用を貯めることが家族の目標です。
王さんは16歳の時から
邱公館の加工場の建設・土台作りの手伝いをしていました。
その後、一度は北京に出稼ぎに行き、建設の現場で働きました。
私たちが保山でコーヒーの仕事を始めた2008年の春に村に帰郷し、
加工のパートとして働き始めました。
良く気が利いて、
私たちが中国語で説明しきれない部分まで理解してくれます。
現在は正社員になりコーヒーチェリーの加工と
グリーン豆の選別の責任者として活躍しています。
ハングリー精神も旺盛で、
初めて触ったパソコンもみるみる吸収し
エクセルやワードで簡単な書類を作るようになりました。
そして毎日仕事が終わると、自分の畑に直行し夜遅くまで、
およそ1ヘクタールの畑で1000本程のドラゴンフルーツを
栽培・管理をしています。
ドラゴンフルーツは4月下旬から花が咲き始め、
現在開花のピークを迎えています。
花は日が昇るとしおれてしまう為、夕方から早朝が見ごろ。
美しい大輪の花を見ることができるのは、ほんのわずか数時間です。
ドラゴンフルーツの品種は2種類。
ラグビーボールのような形の白い果肉の品種と、
丸っこく甘みがある果肉が赤い品種です。
開花から30~40日くらいで収穫できます。
まだ栽培が普及していない作物なので、
胡椒栽培に使っていたコンクリートの支柱に
古いタイヤを結び付けて枝をのばしたり、ブロックを積み上げたりと
手に入る材料を生かして試行錯誤の連続です。
農民市でモンキーバナナが1kg1元、
マンゴーが1kg3元で販売されるのに対して、
ドラゴンフルーツは1個4元で
上海の業者が買い付けにやってきます。
地元の人はドラゴンフルーツの味をあまり好まないのですが、
オシャレな上海っ子にはもてはやされるのです。
植え付けから1年で収穫できる手軽さもあり、
これから生産者は増えていくことでしょう。
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