作物の栽培で重要な作業の一つに、
「健康な苗作り」があります。
コーヒーは20年・30年かけて栽培される作物なので、
苗のうちに手をかけてひねないように気をつけなければなりません。
ポイントは5つです。
1.作物や品種ごとの特性をよく理解し、大切に愛情を込めて育て、
発芽した健康な苗を絶対に見捨てない。
2.苗が好きな環境が揃っている場所を選ぶ。
3.育てる環境の整え過ぎ等、
苗を甘やかし過ぎてひ弱な苗にならないように刺激も与える。
4.栄養バランスを考える。
5.同じ時間に水を与える。
自分の子供を育てるように、ひと時も気を休めることなく、
生産者は愛情と労力を注ぎます。
どんなに一生懸命手をかけても、順調に育つとは限りません。
例えば、遮光の具合や一時的な苗の管理担当者の変更など、
細かい気遣いの不足で失敗することが多いのが
苗作りの難しいところです。
野菜の苗作りは蔬菜類の早いもので10日間、
トマトなどの果菜類は長くて2・3ヶ月で終わります。
それに比べて雲南のコーヒーの苗は、
種を蒔いてから発芽するまで1・2ヶ月、
鉢上げして農場に定植するまでは更に約1年間、
遮光された苗床で管理が必要になります。
中国のコーヒーは、歴史的に困難な時代の影響を受け、
生産が一時的に中止されたこともありました。
現在定植されている木の栽培年数は20年程と短く、
大規模生産の栽培技術はまだ確立されていません。
雲南のコーヒー栽培を初めて見た時、
苗作りに一番の課題があると直感し、
現在克服しつつあるところです。
次回は2年間試験を繰り返し出来上がった
邱公館の新しい苗作り方法をご紹介します。
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