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21.邱公館の苗作り 〜其の一〜
1.苗床での発芽作業

地元では毎年2月か3月に播種し、発芽には2ヶ月かかります。
畑の固い粘土状の土には問題がありました。
種を蒔いて重い土を被せるので、
双葉が出てから葉が重なりあったり、
根が絡みあい生育が悪くなるのです。

そこで土に砂とコーヒーのパーチメントを混ぜよく耕し
低めのうねを造ることにしました。
次にコーヒーの種を半日水につけ、
3センチ間隔ですじ撒きにします。
さらに土と砂を混ぜた
きめ細かな土を一定の厚さかけたうえで、
仕上げに手で圧力をかけて土と種を密着させるのです。
保湿効果を継続させるために、パーチメントをひきつめ、
たっぷり水を与えることも重要です。
まるで女性のスキンケアのように、
面倒なことも手を抜かずに丁寧に手入れをして育てています。

播種する時期も工夫しました。
通常、雲南の産地では
1月から2月に播種する事が常識となってます。
しかし研究が進んでいる中南米のコーヒー栽培では、
発芽期間は20日から長くても1ヵ月半で
雲南より格段に短い期間でパワフルに成長します。
そこで私達は1年かけて毎月播種試験を行いました。
その結果、4月〜9月の温暖な雨期に播種した場合、
1ヶ月足らずで発芽することが解りました。
雨期の中でも、雨期後半の8・9月の播種は
発芽して間もなく乾期に入るため苗の生育が良くありません。
雨期前半の4・5月が
播種の最適期という結論にたどり着いたのです。


2010年4月28日(水)

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