コーヒー農園の新たな取り組みとして、豚の飼育を始めました。
豚の糞尿はリン酸とカリウムが豊富です。
1〜2ヶ月間貯蔵タンクでメタン発酵させて、
コーヒーチェリーを大きく成長させるための
良質な液肥を作ることができます。
養豚では、糞尿の処理方法が課題の一つです。
液肥に加工して土に返すという循環サイクルを農場内で作ることは、
環境にやさしい問題解決方法です。
養豚場を建設するにあたって、
掃除がし易く、糞尿が発酵タンクに直結する
豚舎の設計図を描きました。
そして養豚小屋の土台造りから建設まで
私たちと地元のスタッフとでゼロから造りあげてきました。
並行して雲南の豚の調査をしました。
日本の豚は通常、生後6ヶ月から8ヶ月で
体重110kgになるように成育し出荷されます。
雲南は日本のように品種改良が進んでいないため発育が遅く、
生後12ヶ月で体重110kgになり、
約160kgになったところで出荷します。
2年程かけて200kg程にして出荷することも多いのですが
イノシシのような硬くて独特の臭みのある肉質になります。
豚肉の肉質と味の5割は品種で決まる為、品種選びは大変重要です。
保山の地元種は大きく3つに分けられます。
一つは古い品種で脂身が多く生育が遅い黒豚。
二つめは新しい品種で筋肉が多い茶豚。
三つめは改良品種の生育が早いピンク豚。
その他に中国には民豚・太湖豚など66の地方種があります。
農場の周辺にいる地方種の一種に「香猪」という黒豚がいます。
体が小さく耳は薄く下に垂れ、足は短く背中が凹んでいて
お腹が地に着くようなダックスフンド体型。
早熟で生後4ヶ月で11kgになりますが、
2年経っても体重が40kg程にしかなりません。
標高500〜800mに住む少数民族の家で大切に育てられており、
地元の人の話によると、肉質が良く香りもいいことから
「香猪」と名づけられたそうです。
市場で全く販売されていない豚、
まだまだ利用方法や大量の飼育方法が確立されていません。
村のお祝いの時に「ブタの丸焼用」として使われています。
香豚は早熟で骨や皮が薄いため
繊細な風味を持ち合わせています。
今後雲南の特産品となる可能性を秘めています。
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