中国は「5縦7横」という、
全国を東西南北に繋ぐ幹線国道網を建設しており、
陸上の大インフラ網を構築しようとしています。
雲南では、ベトナムとの国境の町「河口」から
内モンゴル地区のエレンホトを結ぶ約3600kmの幹線道路と、
湖南省の衡陽と昆明を結ぶ約2000kmの幹線道路、
上海と雲南・ミャンマーとの国境の町「瑞麗」を結ぶ
2500kmの幹線道路が含まれています。
全国の重要な幹線道路12の内、3つもが雲南に繋がっていることは、
雲南省が東南アジア方面への重要な窓口になることを示しています。
今年は、昆明とバンコクを繋ぐ国際公路だけでなく、
昆明からベトナム国境の町「河口」までの幹線道路も開通予定です。
これにより、
内モンゴル⇔成都⇔昆明⇔河口(ベトナム国境)
が一本の幹線道路で結ばれます。
ベトナム側の工事が遅れているようですが、
ベトナム・ハイフォン港までの道路が開通すれば、
昆明から最も近い港湾が中国の沿岸部ではなく、このハイフォン港となるため、
中国内陸部の物流が大きく変わることが予想されます。
また、昆明から保山経由で、ミャンマー国境の町「瑞麗」へと繋がる高速道路も
現在急ピッチで建設されています(2012年開通予定)。
ミャンマー側の道路建設の状況が詳しく分かりませんが、
近い将来、雲南からミャンマーを越えてインド北部まで繋がる
高速道路が完成する予定です。
また省内で3つの重要な鉄道計画もあり、
そのうちの一つは、シンガポールから雲南、シベリア、ヨーロッパまで繋がる、
「アジア縦貫鉄道」の大構想も含まれています。
雲南省は全部で10ヶ所の空港があり、
中国で最も民間空港の多い省となっていますが、
現在、6ヶ所の新空港建設を進めており、
航空インフラの構築にも力をいれています。
昆明市郊外に建設中の新国際空港は2010年の完成(予定)後、
北京、広州、上海に次いで中国で4番目に大きな国際空港となり、
世界に向けた意識の高さを誇示しています。
中国は2003年、タイとの野菜・果物類の関税撤廃を皮切りに、
2004年、ASEAN10ヶ国との自由貿易協定を調停、
2010年の締結(一部2015年他)を目指し
段階的に関税の引き下げを開始しました。
地理的に優位で、経済的・政治的に力のある中国が
東南アジア一帯での主導権を握ろうと躍起になっています。
この大メコン圏構想、多国間に跨るため沢山の問題を抱えていますが、
世界の注目が中国を始めとしたアジアに向けられる中で、
大きな可能性を秘めていることは間違いありません。
僕自身、大きな新しい時代の流れの中に身をおきながら、
この流れに乗って、思いっきり漕ぎ進んでいくつもりです。
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