|  雲南省の少数民族は、それぞれの言葉で話し、一部の民族は独自の文字を持ちます。
 前回紹介したリス族の女性は全く北京語が話せませんでしたが、
 多くの少数民族は、年配の方以外はほとんど北京語が話せます。
 タイ族の学校では、年少(4~5才)の時から北京語で授業を受けます。「どんな授業内容なの?」と聞くと、
 「漢民族の授業と全く同じさ」と
 何故か自慢げに答えていました。
 普段の生活ではタイ族語を使用しているので、
 一応バイリンガルの英才教育という感じでしょうか。
 このタイ族も独自の文字を持ちます。今では村に3~4人しかこの文字を書ける人はいないようですが、
 彼らは全く気にしてない様子です。
 邱公館スタッフの腕に刻まれたタイ族文字です。彼が15~6才の時にビルマから来たタイ族のお坊さんに入れてもらった入れ墨で、
 村の中で心の清い数名が選ばれたとか。
 タイ族を代表する人物旨の内容が書かれているようです。
 少数民族の文字文化といえば、麗江に住むナシ族のトンパ文字が有名です。ユネスコの世界文化遺産に登録されており、
 今でも民族の伝統儀式等で使用されています。
 「邱公館コーヒー」をトンパ文字で書いてもらいました。
  このナシ族のトンパ文字も、読み書きできる人が年々少なくなってきています。年長のトンパマスターが、1999年には80数名いたのが、
 2003年で11名、そして今では4名にも満たなくなってしまったとか。
 またトンパ文化伝承協会という組織には、110名の会員が在籍していますが、
 まじめに勉強に取り組んでいる学生はほんの3~4名しかいないようです。
 この伝統文化を末永く継承していくために、麗江市政府は80名の学生を招集し、食事と宿を提供して、
 現在、トンパ文化継承のための強化合宿を行っています。
 麗江のように民族文化と地域発展が直結する国際的観光地になれば、市をあげてその保護・発展に取り組むことができるでしょうが、
 農村に暮らす少数民族は、自分たちの文化をどのように活かせるかなど
 決して考えたりしないでしょう。
 漢民族の生活習慣や豊かな暮らしに、彼ら特有の民族文化が淘汰されないよう
 ただただ願うばかりです。
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