雲南省では、日本で春に咲く花が11~12月頃に咲いたり、
日本で秋に収穫する野菜の種植えを同時期から始めることができます。
つまり日本の主要な流通シーズンと異なるタイミングで
農作物の作付けが可能なのです。
雲南特有の風土ならではの大きな特徴と言えるでしょう。
雲南省は、数十メートルの低地から標高6700メートル超の高山まで
多様性に富んだ地勢を持つため、低緯度(北緯29~21度)にもかかわらず
熱帯から寒帯まで多彩な気候帯が存在し、生物資源が非常に豊富です。
例えばキノコ類。
中国360種類以上と言われる食用野生キノコのうち、
雲南では270種以上が生息し、世界の食用キノコの約半分を占めるそうです。
高級キノコと言われるポルチーニやキヌガサダケ等も豊富で、
マツタケも相当な量が日本へ輸出されています。
黒トリュフの生産も今や雲南が世界一だとか。
2005年の食用キノコ輸出量は8000トンで、時価総額20億元となっています。
ちなみにマツタケはそこそこの品質のものが市場でキロ1200円くらい、
黒トリュフはキロ1500円で手に入ります。(季節限定)
雲南にいると、マツタケもトリュフもドンブリ特盛りで
お腹一杯食べられます。(有難みは感じなくなりますね)
この雲南省で最も大きな産業はといえば、
断トツに「タバコ」です。
タバコだけで省の総生産額の70%を占め、
雲南省のタバコ生産量は、世界2位のブラジルよりも多いようです。
企業の納税額ランキングでも、
全国ベスト10内に雲南のタバコ会社が2社も入っています(06年)。
タバコの喫煙者が3臆人以上と言われる中国ですが、
世界的な喫煙ムードの影響を受け、
2011年からはタバコの広告が前面禁止になるようです。
雲南省もタバコばかりに税収を頼りすぎると、
いつか煙に巻かれてしまうと思っているのか、
基幹産業の多角化を図ろうとしています。
タバコ以外に「観光業」「鉱業」「電力産業」の項目を挙げていますが、
中でも最も注目されているのが「生物資源開発産業」で、
花卉やバイオ等の新興産業の開発に取り組んでいます。
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