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9.コーヒーを恐れる人たち

他国のコーヒー産地は知りませんが、
中国のコーヒー農場の生産者(農民)たちは全くコーヒーを飲みません。
自分たちが汗水たらして育てた作物の利用方法を知らない、
知りたくないなんて、とても見過ごせることではありません。

彼らはコーヒーは苦くて体に悪くてまずいもの、と頑なに思い込んでいます。
コーヒー大好きな僕としては、何とか彼らのこの飲まず嫌いを改めさせようと、
何度も勧めてきました。

"体に悪い"
まずはこの誤解を何としてでも解かねばなりません。

実際、新鮮で良質なコーヒーは癌や糖尿病などの予防に良いことや、
コーヒーは長寿の薬として飲まれていたこと、
僕自身毎日コーヒーを何杯も飲んでいますが、
病気ひとつせずぴんぴんしている様子など、
いろいろとアピールしてみました。

まあ分かってはいるのですが、
彼らはこんな理屈や他人事に興味は持ちません。
そこでしつこく白酒を勧めてくる友人に、
「あんたがコーヒーを飲んだら、僕もそれと同じ分だけ白酒を飲む!」
と体を張って勝負です。
酔っ払って感覚の麻痺した彼がコーヒーを飲んだため、
僕も白酒を飲む羽目になりダウン。
後で聞いたら、味なんか覚えてないし夜眠れなくて困った、とグチグチ言われました。

こんな連中より、まずは加工場のスタッフに半強制的に飲ませることにしました。
どうだ、美味しいか?美味しいだろう。美味しいんだ!
と彼らに暗示をかけ、一人で喜んでいましたが、2日後。
スタッフの一人が目を真っ赤に腫らして、この2日間全く眠れないです。
と訴えてきました。
何だ、彼ら独特のジョークか?と思いましたが、本人は大真面目でした。

確かに個人差や適性はあると思いますが、ほんの少量で丸2日間眠れないとなると
彼らの思い込みが睡眠を妨げているとしか思えません。
しかしここまで素直だと可愛らしくさえ思えてしまうものです。
仕方がないので、甘いインスタントコーヒーから少しずつ飲ませているところです。


2007年5月11日 <<前へ  次へ>>