第201回
取引のリスクは経営判断です。

代金の回収を確実にするために、
発注書をもらうこと、相手方の資産状況、
経営状況の調査すること、
前金や現金取引にしてもらうこと、
担保・保証人をつけてもらうことなどが
必要だと説明してきました。

物が売れない時代ですから、
通常、物を売る際には
買い手が優位に立っていることが多いです。
売主に有利な条件を全て主張していたら、
そんなにうるさいことを言うのであれば買わないと言って、
取引を断られてしまいます。
しかし、他方で、掛売りをした取引先が
いつ倒産してもおかしくない時代でもあります。

以前説明したとおり、
最初は代金を払う気があったのに
不況で払えなくなるというケースも増えていますが、
最初から代金を払うつもりがない取込詐欺も増えています。

取引するのか、しないのか、
取引するとしても全額掛売りなのか、
掛売りにするとしてどれくらいの額にするのか、
それは最終的には経営判断です。
その判断について、
どれくらいの金額であれば誰が決定権を持つのかなど
会社として一定の基準を設定しておくことが
必要となります。
そうでないと、営業マンが、
大きな注文を取ってきたのはいいけれど、
それは取込詐欺で、
結果的に大きな損害を被ることになりかねないからです。

さて、次回からは、
実際に物を売ってしまった後に、
代金を回収するにはどうしたらよいかについて
説明してきます。
ちなみに、明日は弁護士の話で、
月曜日は宿題の答えになります。


■今週の宿題 ■
売買代金で、2500万円か
2000万円かで争いがある場合、
買主は裁判で決着するまで、
代金2500万円を供託しておくことができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年6月26日(木)

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