第91回
店造りが始まった その6
80日前 投資した資本が1.5回転すれば成功!?
四本さんと仕事の契約を終えた松井さん。
久し振りに専務に会いました。
このカフェの事業に必要な
資金計画の打ち合わせをする為です。
専務から2つの報告と意見が出されました。
1つは松井さん達のチームの活動は予想以上で
会社全体が応援をしていると云う嬉しい報告でした。
2つ目は内装工事、空調工事、
給排水工事や家具工事に関しては
今まで本業の不動産業に関わって来た業者を
優先的に採用して欲しいと云う要望でした。
松井さんはこう答えました。
「その気持ちはよく理解出来ます。
しかし今回は予算は70000千円と限りがあります。
1社しか見積りがなかったら、
予算をオーバーする事が考えられます。
設計と工事を分離したのだから
複数の業者の合い見積りで決めたいです。
勿論その見積りには
お世話になった業者さんにも入ってもらいます」
専務にすれば、関係先の業者なら
安くしてくれると云う考えがあったのだと思います。
平等でなく公平な方法で決めると云った
松井さんの言葉にうなづかれました。
松井さんが複数の業者の合い見積りを選択したのは、
気になる事があったからです。
予算は70000千円を会社側は用意してくれていますが、
1円でも安くしたいと考えていました。
さらに開業して赤字だけには絶対にしたくなかったのです。
投下資本を70000千円とすれば
それを何回転させる売上だったら儲けが出るか。
かつて外食産業の本を読んだ時に知った
「投下資本回転率=年商÷投下資本」で1.5回転。
70000千円の投下資本の場合、
年商で1億500万円は最低売らなければなりません。
この事が頭から離れない松井さんなのです。
『経営指数は大切な指標である。
しかし指数の前にまず実数の把握が先である』
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