第59回
ストアコンセプトの実際 その4
116日前 「役者がそろった!!」

松井さん夢中で村田さんに電話をしました。
運よくすぐに連絡がつきました。
村田さんの答えによると、
「確かにあの店にパンの生地を納入していました。
生地はスイス製です。それと店は繁盛していました。
銀座のちょっとはずれでしたが
地下鉄の出入口のそばにあって
朝はビジネスマンやOL、昼は歌舞伎座を利用する人、
夜は近隣のOLやカップル、劇場の帰り客と
一日中繁盛していました。

昼は250円のコーヒーでセルフサービス、
夜は600円のフルサービスのカフェで
確かフランスのカフェをモデルにしたと聞きました。
40坪で昼30万円、夜も30万円、
計60万円近く売ったと記憶しています。
ビルが古いので店ごと壊しましたが天井が高く、
雰囲気は良かったですよ」

村田さんはさらに
「この店が印象に強く残っているのは、
二人のプランナーの存在です。
確か、この店のデザインはコンペだったはずです。
大手の石油元売業が直営で営業するので
大手の内装業者が3社
そして小さな設計事務所が1社の競争でした。
結果は大手でなく小さな事務所のデザインが採用されました。
評価は、満点に近いと聞きました。
ああその方ですか。
良く知っている方です。
名前は四本(よつもと)さんと云う方です。

もう一人あの店には大きな役割をした人がいます。
商品開発や厨房システムを考えたプランナーの
『芝さん』と云う人です。
生意気で差し出がましいのですが
新しい業態を創るには
この様なプロフェッショナルの人の
物の見方、考え方はきっと役立つと思います」

松井さんは村田さんに声を高めてたのみました。
「その二人に合わせて下さい」
どうやら松井さんを座長とする役者がそろった様です。


『人は自ら育てる、必要な知識と技術は買える。
人は買えない』


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