第1067回
上海からローマは8700km
知らない街に行って、
その町全体を見渡そうと思ったら、
高いところに上るのが一番だと
教えていただいたことがあります。
上海の場合、
街全体を見渡すのに都合のいい場所の一つは
「東方明珠」テレビタワーです。
テレビの映像や新聞、雑誌での写真を通して
しょっちゅう見るようになり、
私たちもすっかりおなじみになっています。
そして、このテレビタワーと並んで
展望がきくのが
「金茂大廈」というビルです。
前回、ご紹介いたしましたが、
私はこの「金茂大廈」の展望台に登って、
上海の街の全貌を楽しむことができました。
さて、この展望台に上って
興味深かったのは、
この88階の窓ガラスのある部分に、
・ローマ・・・8700km
・成都・・・・1620km
・人民広場・・4km
という表示があったことです。
別の箇所にはパリやロンドンについて
同じような表示がありました。
こういう表示を見ると、
中国がヨーロッパと陸続きなのだ
ということに気づきます。
かの昔、マルコポーロが
はるばるイタリアからやってきたことが
頭に浮かんできます。
それと中国の人たちが、
やっぱりローマやパリやロンドンを
意識していることもわかります。
その意識の仕方は、
私たち日本人が
欧米を憧れの対象として見たものと
同じものなのでしょうか。
あるいはまた違ったものなのでしょうか。
機会があったら、中国人の方たちに
聞いてみたいと思ったことでした。
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