第969回
中国には改良の余地が無尽蔵にあります
北京の公共バスに乗り、立っていると
若い人たちから席をゆずられたので、
「ありがとうございます」とお礼を言って
あけてくれた座席に座りました。
座って、すぐに気がつくのは、
座席にはソファーといったものはなく、
座るところも、背もたれのところも
鉄板そのままだということです。
もし私が中国の動きを
ウォッチしていなかったら、
「中国はやっぱり貧しい国だ。
こんなレベルでは、当分発展は望めないぞ」
などと思ったかもしれません。
でも、私は海の向こうからではありますが、
10年以上、中国の動きを観察し、
中国で本格的に工業化が起こり、
“付加価値生産革命”が目下進行し、
国民の生活も徐々に
豊かになる方向にあることを知っています。
ですから、こういう風景を見ると
「中国には改善する余地が無尽蔵なくらいにあるぞ。
これから先が楽しみだ」
という見方をします。
バスの窓を通して見える
人々の服装や住居の様子を見ても、
わたしたち日本人の生活レベルと比べると
大きな隔たりがあることが
いやでもわかります。
これについてもしかりです。
5年後、あるいは10年後に
同じようにバスに乗って外を見たら
いまとは異なる光景が
見えてくるのではないかと、
将来が楽しみになってきます。
中国はこの先、大きく変わっていくぞ、
その余地は一杯あるぞというのが、
バスに乗って感じたことでした。
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