第961回
「料理は一流 値段は二流がいい」
今回の北京でのセミナーには
私の姉夫婦も参加してくれました。
私より早く三全公寓に着き、
着いた日の夕刻、
イタリア料理店「イル・ミリオーネ」で
夕食をいただいたようです。
翌朝、姉夫婦と私たち夫婦は合流して
三全公寓内の「林一品」という中華料理店で
朝食をいただきました。
そのとき義理の兄が昨晩、
「イル・ミリオーネ」のシェフから
うかがった話として、
次のようなことを伝えてくれました。
「うちのオーナー(邱さんのこと)は
料理やサービスのレベルは
一流のものを提供してほしい。
しかし、料金は
多くの人に召し上がっていただけるよう
二流のレベルにしておきなさい、
とおっしゃっているんですよ」
義理の兄は腕のよい職人肌の歯科医ですが、
この話に強い印象を受けたようで、
そのことを何度も話してくれました。
私はその話を聞きながら、心のなかで
「これが邱永漢思想だ」とつぶやきました。
さて、姉と妻は朝食にでたミルクが
昔、自分たちが小さい頃にいただいた
ミルクの味がするといいあい、
「おいしい、おいしい」といって
互いに飲みほしました。
私にとっても
三全公寓の部屋のベッドがふかふかで、
グッスリ眠れたということもあり、
日ごろの疲れもとれる楽しい朝食になりました。
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