Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第944回
人間の心理の探求が必要です

あるとき、渡部昇一さんの
『人の上に立つ人になれ』
という本を読んだら
非常に親しみを感じる文章に出会いました。

「人は誰しも『山青く、水清く』
というところに憧れるものだ。
そして、田舎暮らしなどというと
誰でもできそうに思うかもしれないが、
現実問題としては、
できない人がほとんどなのである。

実際に住んでみればすぐわかることだが、
たいていの人はすぐにすることがなくなり、
退屈で、寂しくて住んでいられなくなる。
とにかく刺激がない。
人は刺激がない生活には耐えられないのである。

小説家や画家、
陶芸家といった人たちならかまわないだろう。
こういう人たちは、
一日中やることがあるからだ。
だが、普通の人々に田舎暮らしは、
よほどのことがない限りは
不向きなのではないか。(中略)

年をとるにしたがって
寝つきが悪くなるらしいが、
そんな時、周りに何もない田舎だと
ただ悶々と時の過ぎるのを待たなければならない。
それは多分耐え難いことであろう。

だがもしそこで、ちょっと外へ出れば
近くに本屋があったり、
ラーメン屋が朝方までやっているとか、
深夜映画をやっているということであれば、
気がまぎれる。
一日中人がザワザワしているくらいのほうが
気晴らしになるし、頭の刺激にもなる。
少なくとも、孤独をまぎらわすいろいろなものが
都心にはある。
だから私は、老後こそ都心暮らしを
考えたほうがいいのではないかと思っている。」
(渡部昇一さんの『人の上に立つ人になれ』)

私がなぜこの文章に引き込まれたのかというと、
この文章には
「人はいくつになっても
 寂しいところで住むことは好まない。
 人が集まるところで住むことを好むものである」
という人間観に共鳴したからですし、
邱さんがいつもおっしゃっていることと
重なる主張がなされているようにも
思えたからです。


←前回記事へ 2005年3月28日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ