第940回
新しいプランはまわりから反対されがちです
新しい仕事を創りだす仕事の担当になり、
お客様にとって魅力のあるプランには
どんなものがあるのだろうかと、
探し求める中で、
私には人通りのある空き地に
お年寄り向けのマンションを建てるのが
魅力のあるプランに見えました。
そのとき、私の仕事場になっていた福岡では
お年より向けの施設は山のてっぺんとか、
海の近く、つまり人のいない寂しいところに
建てられていました。
ただ私が調べたところでは
お年寄り向けの施設も東京や大阪では、
にぎわいが感じられる場所に
建てられる施設も出現していて、
老人ホームもこのように
人のざわめきが感じられる場所にあるものが
迎えられるようになると
考えるようになっていました。
また福岡でも、
快適なサービスを提供してくれるなら、
お金を払って
サービスを受けたいと考えるお年寄りも
いらっしゃるのではないかと思いました。
そのように考えた私は、
当該の空き地に
終身介護制のお年寄り向けの施設を
建てることを提言しました。
が、そう考えたのは私だけで
私の周囲にいる人はほとんどすべて、
私のプランに反対でした。
「ここは田舎で、
親を施設に入れたりすると
親不孝者と言われますから、
こういう施設を利用する人はいないと思いますよ」
といった意見に取り囲まれ、
私は孤立し、困ってしまいました。
あとになって知ったことですが、
今ではすっかり溶け込んでいる
「クロネコヤマトの宅急便」も
オーナーの小倉さんが提案したときには
役員会で強い反対にあい、
小倉さんは困って、
労働組合の人にアタックして
実現にこぎつけられたとのことですから、
新しいプランというのは、
周りの人たちから反対を受けることが、
しばしばあるのですね。
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