第893回
深センは街自体がテーマ・パークです
深センを訪れた話の続きです。
私達、7人の日本人の一団が
深センのバスステーションに着きました。
さしあたりの目的は「博物館」に行くことです。
ですが、あまりにたくさんバスが出入りをしていて
どれに乗れば、「博物館」に着くのか
見つけ出すことは容易ではありません。
ほかの方にはしばし待機していただいて、
私が「博物館」に着くバスを探し出すことにして、
何人もの人に聞いて、
ようやく「博物館」に向うバスを見つけ、
皆と一緒に乗り込みました。
それでも、
これが本当に博物館に行くバスなのか
一抹の不安がつきまといます。
しかし、たまたま乗り込んだバスに
一人の若い女性が先に乗っていて、
このバスでいいことを教えてくれました。
それでようやく人心地ついたのですが、
この女性に「市営」と表示されているところが
「博物館」だと教えられました。
「市営博物館」という意味なんでしょうね。
さてバスが動き出すと、
車中からは巨大な建物が
ところ狭しと並んでいる風景が
目の中に入ってきます。
大きな建物に「電話番号○○○○」と書いた
垂れ幕がさがっていて、
買い手を探しているマンションなのだ
ということがわかります。
建物が大きいこと、
またその数が多いことに驚かされます。
そう思ってバスに揺られていると、
左手に「深セン証券取引所」の看板が見えました。
取引所が開かれたころ、
株を買いたいと思って待機していたものの、
お目当ての株が買えず、
騒動が起きたと、報道されたことがありますが
そのとき映し出されていた玄関が、
ここだったのかなあと思いました。
それからしばらくすると、
右手にケ小平が微笑んでいる姿が映されている
巨大な看板が目に入りました。
そこがお目当ての「深セン博物館」でした。
そこに着くまでに
それほどの時間はかかりませんでしたが、
目にする光景はどこもかしこも珍しく、
私にとっては、深センの街自体が
一つの大きなテーマ・パークでした。
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