第885回
「株の先行きを推理するのが一番難しい」
いまおこなっている
「株の原則」通信講座の後半では、
株式投資はどういう性格のものであるのか、
邱さんがおっしゃっていることを取り扱っています。
毎々ご紹介している、
当講座を最初に受講くださった方は
この箇所を勉強されたあと、
次のような感想を寄せてくださいました。
「邱先生は『株は推理小説です』とおっしゃいます。
私は、株の原則の中で、一番難しいのは、
この推理だと思います。
幅広い知識に基づく洞察力や分析力が
求められているように思いますが、
このような能力は、一朝一夕には身につきません。
少し前に是川銀蔵氏の自伝
『相場師一代』を読みました。
是川氏の、徹底的な研究ぶりに吃驚仰天しました。
驚くべきは、是川氏が、1931年のイギリスの金本位制停止、
1933年のアメリカの金本位制停止を、
正確な日時も含めて的中させ、
暴落から免れたことです。
(実際には証券取引所の超法規的措置により、
是川氏は損得なしだったようですが)。
こうした判断・推理に至る背景には、
どれほどの自己研鑽があったかと思うのです。
推理といっても、生半可な心構えでは
駄目だという戒めになりました。
また邱先生は
『株式投資は海上運送と思えばよい』
『株を恐れるのは株を知らないから』
とおっしゃっていますが、
このことは身をもって体験しました。
中国株を買った途端に、
イラク戦争、SARSで大シケでした。
しかし、注意深く見ていますと、
電力や道路などのインフラ株は、
比較的足腰がしっかりしているのに対し、
メーカーやP株といわれる小型株は、
足腰が弱いことに気づきました。
恐らく、多くの人にとって、電力や道路は
『知っている(わかる)』部類に属するのに対し、
小型株は『知らない(わからない)』部類に
属するためだと思いました。
ならば、小型株でも、
わかっていれば怖くないはずです。
以来、私は、銘柄選択基準に、
『暴落しても売らない自信が持てる株であること
(たとえ小型株でもその株をしっていること)』
の一項目を加えました。」
こういう感想をいただくと、
私自身、勉強の意欲を掻きたてられます。
そして、「ご自身の投資原則」を
お立てになっていることが素晴らしいですね。
邱さんは、ご自身が明らかにされた原則を
私たち読者に対して、惜しげもなく、
開陳してくださる一方、読者に対して
「自分で自分なりの原則をみつけるといい」と
おっしゃっています。
この方はそうした邱さんの推奨に
応えられていますね。
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