Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第844回
「正業からズレおちる商売はイヤ」

邱さんは「投資コンサルタントがつとまらないわけ」
『籠いっぱいの価値ある情報』昭和60年)という作品で、
「株のレポート屋はつとまらない」と書き
その理由の一つとして、
「(自分が)狙う株は
 2年、3年の間に2つか3つで、
 倍にならなくとも、5割くらいあがるまでは
 同じ株のことしか考えない」と書いています。
以下はそれに続く文章で、
「株のレポート屋がつとまらない」
第二、第三の理由が挙げられています。

「第二にレポート屋をやっていると、
つい自分でも、株を買いたい気を起こすし、
自分が株を持つと、
その株があがることを願うようになって
公平に物を見る目を失ってしまう。

私の知り合いのレポート屋の中には、
『自分が株を持つと判断力が鈍るから』
といって他人にはすすめるが、
自分は一切株に手を出さない人がある。
それはそれで一応リクツのとおることであるが、
株価に対して影響力を持つようになれば、
どうしても資金を集めて
自分で株を動かしたくなってくる。

誠備事件や投資ジャーナル事件のような
刑事事件にまで発展するのは、
そうした金集めの誘惑にかてなくなるからであるが、
その結果どうしても
無理が露呈する難しさをもっている
という証明でもあろう。

第三に30億円のお金を動員して
30億円の利益をあげたとする。
他人の資金なら精々もらっても
1割の3億円くらいなものであろう。
他人のお金を30億円預かって
倍にして3億円もらうなら、
自分で銀行に行って3億円借りてきて
3億円稼いだ方が気は楽である。

実際にはそんなにうまくいかないのがフツーだから、
儲けて分け前をもらうより
つい他人の投資資金に
手を出したくなってしまう心配がある。

以上、どの一つを例にとっても、
正業からズレ落ちてしまうことが多いので
私の場合はいまだに
投資コンサルタントができないでいるのである。」
(『籠いっぱいの価値ある情報』昭和60年)

このように邱さんは
1980年代に起こった事件に言及しながら、
ご自身が株に向かう態度を
明らかにしています。
そして、株の情報を提供するビジネスの正体が
どういうものであるのかも暗示しているようで
私はこの文章を読んで以来、
お金を払う必要のあるような株の情報は
またいで通るようになりました。


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