第839回
あなたは「株の原則」に通じていますか
このところ、数回にわたって邱さんが
「株の原則」について書いた文章を紹介してきました。
これらの記述を要約すると
つぎのようなことになるでしょうか。
(1)邱さんは移り動く個々の現象にこだわらず、
その中を貫く原理原則をとらえることに力を入れて、
株については株の原則を探究してきた
(2)その結果として、打ち出した原則は、
何十年たっても少しも変わらない
(3)時がたち、人気株の銘柄がすっかり入れ替わり、
株価の位置が何百円台から何千円台に移っても、
銘柄と値段を入れかえただけで、
理論はそのまま通用する
(4)相場の動きに対する人々の反応の仕方も、
また欲の皮を突っ張らせすぎて
失敗したりする愚かさもほとんど変わりはない
(5)株式投資には株の原理、原則を
守り通すことが大切で、
原則を忠実に守ることができたら、
株で儲けることはあっても、損することは先ずない
(6)現代は株が財産づくりの中心になる時代で
株と上手に付き合う術を身につけておく必要がある
(7)たとえば、株は激しく乱高下するが、
怖がってばかりいたのではチャンスをつかめない
チャンスをつかみ、また激しく下がっても
身の安全を保てる術を身につける必要がある
さて、これだけ値打ちのある『株の原則』を
自分はどの程度意識して、株に臨んでいたでしょうか。
私は『邱永漢の株入門』を読み、
邱さんの素直な執筆態度に敬服したものの、
実際に、株を買うときは
本を読んで仕入れたはずのことなど、
全く頭からすっ飛び
(というより頭に入っていなかったというべきですが)
ただただ、儲かりそうな銘柄を探し回り、
買った株が高くなることを願い、
実際は買った株が下落しで
期待と現実のギャップに、
歯ぎしりしていたように思います。
そうした自分の体験を照らして考えると、
私と同じように「株の原則」の
重要性に気づいかないままで、
株の売買にあたっている人が
少なくないのではないかと思っています。
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