第810回
沈滞ムードの環境を乗り越えた人の話が参考になります
福岡市のセミナーには
お隣の北九州市で料理人として活躍している
緒方弘さんとおっしゃる日本料理店の経営者に
参加していただきました。
緒方さんは私が新日鐵の管理職として
仕事をしていた頃からお付き合いがあり、
私が会社を辞めて研修の講師になり、
また邱さんの思想研究家としての活動を
深めていく過程をよく知っていただいてくださり、
私が『あなたも賢者になれる−私はQさんの知恵を借りた』
という本を世に出したとき、
一挙に100冊も買ってくださいました。
そんなつながりもあるのですが、
緒方さんは地場企業が
どんどん経済を縮小するという環境下でも、
日本料理のご商売を発展させていて、
そうした体験の一端を語っていただくために
セミナーに参加いただきました。
自分が選んだ地場産業の仕事が減少して
そのまま続けていけるかどうか悩んでいるという
青年の話のあと緒方さんにお願いすると、
緒方さんは次のようにご自身の
体験を語りだしてくれました。
「私は鉄で栄えた八幡のなかで、
三代続いた日本料理屋さんの経営者です。
かつて八幡には、6軒か7軒、
製鐵所向けの料理店がありましたけど
自分のところの田舎庵を残し
皆さん、全部廃業しました。
自分の店が生き残ったのは八幡から
人の集まる小倉に新しい店を出し、
鰻の料理を発展させたことや
柚子明太子を開発してこれをはやらせたことです」
緒方さんの体験談は
自分をとりかこむ環境は厳しくても
努力すればその環境を乗り越えられる
ということを教えてくれるお話でした。
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