第791回
「とにかく上海に住み、そこから出発です」
日本でひらいていた古本やCDの店を閉め、
これから上海に居を移しますという
ご夫妻が出国直前にお便りを送ってくださり、
私はすぐに返信しました。
「お忙しいなか、ワクワクするような
お便りをいただきありがとうございます。
34歳で独立され、39歳で店をたたみ、
上海に飛び出されるなんて
邱先生が推奨されているような生き方を
そのまま地でいかれるようで、
感心させられました。
上海や北京が発展していて、
そこで仕事をつかめば、未来は明るい
ということは頭ではわかっていても、
体がついていかないという人が多いと思います。
そういう意味ではお二人のご決断と今後の活動は
中国行きを考えている人たちにとって
励みになるものだと思います。
つきましては、上海でどんなお仕事をなさるか、
お伝えください。
お二人の上海でのご活躍を心からお祈り申し上げます。」
そうすると、すぐにまたお返事をいただきました。
「ご返事ありがとうございます。
邱先生をして、『私よりも私のことをよく知っている』
と言わしめた戸田さんから、邱先生の推奨されている生き方を
地で行っているようだ、といっていただき、
邱信者の末端としてはそれだけでも嬉しくなります。
いろいろ頭の中で考えてばかりで一向に動けない、
というのは、今までの日常があるわけですから
ある意味では当然で、私達のように、
即興的に立回る類はそんなにいないんだなぁ、
とつよく感じています。
たまたま、邱先生の著作に
約20年くらい前の学生時代から接し、
ご高説を賜りながらも、
それを肌身に感じるようになったのは、
自営をしたからであり、
また、自分で決断をしなくてはいけない時期が、
中国のマーケットが豊かになる方向に向かって
スタートを切った時であったこと、
さらにインターネットという文明の利器が
邱先生を身近にさせてくれたこと、
などの諸条件が重なり、
チャレンジしようという気持ちになったと思います。
まだ、具体的な仕事内容は決定しておりませんが、
自分で出来得る事は、どんどん進めていこうと
漠然とですが、決意しています。
とにかく上海に住んでみます。
また、展開がありましたら、メールさせていただきます。」
この一連の文章のなかには未知の世界に飛び込んで
活路を開こうとする人の勇気と決意の気持ちが
にじみ出ているように感じました。
お会いしたのことのない方ではありますが、
ご夫妻の前途を心のそこから祈りました。
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