第780回
株価が下がっても、ナンピンを賭ける道があります
私がはじめて株というものを買ったのは
43歳のときのことで、
勤め先の新日鐵株を買ったのが最初です。
昭和62年ころのことです。
当時、私は北九州市にある八幡製鐵所で
遊休地の活用で頭を悩ましており、
鉄は斜陽化への道をたどっていて、
これからは半導体だと思いましたので、
買ったばかりの新日鐵株を売り、
NECの株を買いました。
当時のNECの株価は2200円でした。
さて、半導体の時代の先頭を切って
NEC株が上のほうに向って
走ってくれるかと思ったのですが
実際は、株価は下落する一方で、
あれよ、あれよという間に1000円を割り、
700円くらいまで下がって行きました。
3分の1まで落ち込んだのです。
こうなると、この投資が失敗であったことを
認めないわけにはいかないでしょう。
なぜこうなったのかを明らかにする必要に迫られ、
邱さんが株について書いた文章を
片っ端から読むようになりました。
さて、邱さんの文章を読んでわかったことは、
誰の心にも付和雷同の気持ちがあり、
皆が株だ、株だ、と言うと、
自分もついて走りたくなるけれど、
そうしたときは買いたい気持ちをグッと抑え
逆に、株価が大きく下がり、
誰も株のことを口にしなくなったようなとき買うのが
賢いということでした。
また買った会社の株が値を下げたとき、
その会社が先行き心配のない会社であるなら、
値を下げる都度、株を買い増せば
購入単価を下げることになるという、
“ナンピン買い”の知恵を授けていただきました。
私が中国株を買ったときも、
そのあと中国株は値を大きく下げたのですが、
NEC株投資失敗のときに学んだ
“ナンピン買い”の知恵を
適用することにしたのです。
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