第764回
「女性も株を動かす能力を養うことが必要です」
邱さんは
女性が金銭感覚を身につける方法の一つとして
「一家の財産を夫に代わって運営してみること」
を薦めていますが、個人の財産のなかで
株が占める比率が高くなっているので、
株に対する知識や株を動かす力を養うことが
必要であると、次のように書いています。
「昔なら大抵の商店は個人所有であったから
商店のおかれている土地、
建物や営業権は個人の財産であった。
ところが戦後の税制のおかげで
ほとんどの個人企業が法人化されてしまった。
実際にはいまも個人の支配化にあるが、
株式会社に組織がえをしてしまった以上、
株式会社の財産は形式的には法人の所有になる。
たとえ資本金が100万円の小さい株式会社でも、
小さいなりに、株主もおれば、
代表取締役もおり、また監査役もおる。
従って配当する時も、株を譲渡する時も、
また相続する時も、
持株の比率によって行われる。
こうした法人の株の評価は
その所有する財産の内容から
逆算して算出され、
贈与する時も、相続する時も、
その逆算時価が算定基準にされる。
従って個人の財産のうち、
不動産にあたる部分は
個人の住む家とか、
個人名義の土地建物にだけ限られてしまい、
株の占める比率は時と共にふえてきた。
この傾向は今後ともふえていく一方であるから、
株に対するある程度の知識と、
株を動かすだけの能力を養うことは、
女性にとっても必要なことであると思う。」
(『女の財布』)
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