第747回
専門技術を持つ人はあぶれることはない
邱さんは『女の財布』で女性に対して、
専門技術を必要とするような仕事につくことを
強く薦めています。
そうした主張を表明した文章を
以下に引用させていただきましょう。
「専門技術を身につけた連中は
手に職持つ連中も含めて
『手に職』を持った連中は、
どこに就職しようと、
独立して店をかまえようと、
働く分野はいつも同じだから
文字どおりの『就職』である。
一つの会社を辞めて、
他の会社に移っても、
専門知識を買われて、
『就職』をするわけだから、
世間にそういう需要がある限り、
職にありつけないというのはない。
また特殊技能を持っているから、
専門職としての手当てが加算されることになり、
単純労働をする者に比べれば、
報酬もその分高いのが普通である。(中略)
専門職の人たちは、はじめから
社長になる野望をもって
就職するはずもないから、
それによって不満が生ずるおそれはない。
手に職を持つ連中は、
勤め先に少しでも不満があれば、
『包丁一本サラシにまいて』ではないが、
すぐにも職場を変える。
どこに行ってもその日から仕事にありつける。
だからといって、
職を転々としてもさしつかえない、
ということにはならない。
どこに行っても受け入れられるということは
一生の間に何回も就職先を
変えなければならない女性に
向いた職業ということができる。
女の人はこの際、改めて認識し、
何回でも勤め直しのきく職業を
さがすべきではないかと思う。」
(『女の財布』)
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