| 第746回専門職といわれる職域の幅は広い
 『女の財布』で邱さんは人生が長くなり、
 女性が仕事に従事する期間も長くなっているので
 仕事は単純労働でいいという考え方は
 見直しが必要だと次のように主張しています。
 「どうせ結婚したら会社を辞めるのだから、職業上の努力をしないでもよいのではないか、
 と思い込んでいる女の子は多い。
 しかし、もし結婚して主婦業に専念する時期があるとしても、
 いずれまた職場に戻って、
 再度働くチャンスがあり、
 しかもその期間がかなり長期に及ぶものと想定したら、
 単純労働を売って、
 その代償をもらうだけのOL稼業では、
 もはや不充分であることにいやでも気がつく。(中略)
 女の人は一つの会社に勤め続けることが少なく、途中を中断して、また別のところに就職すると、
 単純労働を売るしかない。
 中年以後の就職に際して、
 75%を主婦が占めているのは、
 女の人が若い時に専門職の訓練を受けていないか、
 もしくは受けようとしないからだと
 指摘することができる。」
 (『女の財布』)
 とすれば、女性も専門知識を要する職業に従事するのがいいという方向になるのでしょうが
 この点について邱さんは
 つぎのような意見を述べておられます。
 「専門職といっても、医者や歯医者や弁護士のことだけではない。
 そういう職業も、もちろん専門職であるが、
 専門の学校に行かなくても
 国家試験を受けて資格をとれるような、
 税理士、宅地建物取引主任者、不動産鑑定士、
 調理師、栄養士のようなものから、
 そもそも資格とはさして関係のない
 お料理の先生とか、ドライフラワーの先生とか、
 人形づくりとか、手芸とか、
 英語や中国語の先生とかいった、
 世間が受け入れてさえくれれば、
 職業として成り立つ分野の専門技術をそなえたものは
 すべてその中に含まれる」
 (『女の財布』)
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