第739回
『もしパパが死んだら・・・・』の仮定話で日常的に訓練
『妻の財産づくり』のなかで邱さんは
「妻の財産づくり」の前に、
「妻の経済観念の教育」が大切だと指摘していますが、
具体的な事例として
ご自分が一家のなかで実践していることを
面白く語ってくれています。
「たとえば、私の家では
『もしパパが死んだら・・・・』
という仮定がしばしば食卓の話題にのぼる。
パパが死んだらかなりの相続税をとられる。
だから、今のうちから、
あまり相続税をとられないような
工夫をしておく必要があるし、
また相続税を払えるような
システムにしておく必要がある。
パパが死んだら、
パパの力で成り立っていたような事業は
すべてなくなっていると考えなければならない。
したがって、パパのパートナーたちに事業を譲り、
仕事はすべて整理してしまう。
しかし、パパが死んでも、
不動産の収入だけは同じように入ってくる。
したがって、人材がいないと
運営できないような種類の事業を整理して得た金で
借金をかえしてしまい、
不動産の会社だけをしっかり守っていく。」
(『妻の財産づくり』昭和52年)
邱さんがご家庭で実践されていた
“経済観念”養成のためのお話です。
この邱さんの話を受けている
ご家族の反応がまた面白い。
「『恐らくそうしたら、私たちは今までよりも
ずっと豊かな暮らしができるでしょうね。
何しろ、パパの趣味で、
年々、新しい事業に投ずる資金が
全部、使えるようになるんですものね』
妻や子供たちがこういう話をするのを私は
はたで楽しくきいている。」(同上)
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