第733回
『女の商売』は発売後15、６年目にブレーク

昭和43年に邱さんは
『女の商売成功の秘訣』を世にだしました。
それから40年近い年月がたったいま読むと
その頃の時代を映しているところがありますが、
一向に古くないばかりか、アッと驚くような
新鮮な印象を受けるところが随所にあります。

でも、この著作は出版当初、
売れ行きは芳しくなかったそうです。
昭和59年にＱブックスの一巻として
再版されたとき、邱さんはまえがきで、
出版模様について
次のように書いています。

「『女の商売成功の秘訣』は、
私が書いた金儲けの本の中では
最も出だしの遅い部類に属する。
女性が職場に進出するようになり、
男に負けない勢いで
経済に関心を持つようになるはずだ
―という私の予測が早すぎたのか、
それとも『女の商売・・・・・』という
タイトルのつけ方が悪かったのか、
おそらくそのどちらも関係あると思うが、
この本が日本経済新聞から刊行された
昭和43年の時点では、
初版の一万冊が売り切れずに
しばらくの間、再販の声がかからなかった。

同じ傾向が、中国語に翻訳されて
台湾で出版した時にも起こった。
商売に対する関心は何といっても、
男の世界のものであり、
『女の商売・・・・・』と名がつくと
女性の大半は食指を動かさず、
男性は男性で
そっぽを向いてしまうのかもしれない。
そこで、『小資本でもできる商売の秘訣』
といった帯をつけさせて店頭に並べたところ、
俄かに足が生えて、
たちまち完売してしまった。」
（Ｑブックス版『女の商売成功の秘訣』昭和59年）

この話、次回に続きます。