第728回
「あなた以外にはできない商売が一番有利」
人は人生のどこかの時点で、
商売をはじめてみようかと
思うときがあります。
そんなとき、自分は
どんな商売に向いているか考えます。
『女の商売成功の秘訣』のなかで、
邱さんはこのことについて
次のように答えています。
「何があなたに向いた商売でしょうか。
男女を問わず、一番有利な商売は
『あなた以外にはできない商売』です。
建築家とか税理士とか弁護士とかいった商売は、
もちろん、競争相手もたくさんありますが、
自分の実力でやる商売ですから、
あなた以外の人にはできません。
専門知識とか才能とか個性を生かす商売は、
女性の商売のなかで
いちばんすぐれたものです。
これを逆に表現すれば
『あなた自身ではできず、
だれか他人をたよらなければならない商売』は
いちばん不利です。
足りない資金を銀行に頼らなければならない仕事、
自分が美容師としての腕を持っておらず、
有名な美容師の名前を借りなければ
開店できないような美容院、
商品をかってもらう相手が、
ある特定の会社で、
そこが駄目になったら
たちまち急迫してしまうような
メーカーといった商売は、
必ず手を焼かされます。
ですから、一つの仕事をやりたいと思った時、
まず自分につぎのようなことを
聞いてみる必要があります。
(1)それは自分の好きな仕事であるか。
(2)共同事業者や使用人や、
この人と頼む人がいなくなっても、
自分でやり貫く自信があるか。
(3)ピンチにおちいった場合、
損をどこまでひっかぶる覚悟をしているか。」
(『女の商売成功の秘訣』昭和43年)
邱さんのアドバイスの特徴の一つは
具体的で実際的だということですが、
ここに書かれているアドバイスも
たいそう具体的で、すぐに活用できそうです。
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