第715回
「株は推理小説を読むのに似ています」
何事によらず、
若いころに体験するにこしたことはなく、
投資についても同じことがいえるという
邱さんの考えに異論はありません。
ただ、私の友人を見ても、
会社勤めをしていた頃は
株にお金を投じて、
自分の財産を増やすといったことに
さして興味をひかず、
会社を退職してから
初めて株の世界に興味を感じる人がいます。
年をとってから株をはじめたのでは
うまくいかないといったことがあるでしょうか。
あらためて、邱さんにうかがってみましょう。
「30歳前からやっているほうが、
60歳すぎてからやる人に比べて、
株が上手になるかというと、
必ずしもそうとはいいきれない。
体力を伴う競技なら、
若い時からやるに限るが、
株は知能的なゲームであるため、
わかりがよいかどうかが問題で、
年齢とはあまり関係がない。
むしろ、どうして年をとるまで
株と縁がなかったのか、
その原因が問題で、
経済界のことに無関心だったから
株と縁がなかったのか、
そもそも経済オンチだったから縁がなかったのか、
人それぞれ立場は違ってくる。
もしどうしようもないほどの経済オンチなら、
いくら説明をしても
株のシステムなど理解できるはずもないから、
定年後も株に親しむチャンスはないと考えた方がよい。
そういう人は適当にアドバイザーをもって、
株を買っても売らずに財産としてもっておればよい。
そのほうがおそらく報われることが多いだろう。
反対に、在職中は仕事に追われて
株をやるヒマもなかった人が、
ヒマを持て余すようになってから、
ある日突然、株に目覚める。
今まで株のカの字も知らなかったのに、
退職金の一部を崩して
初めはこわごわ株を買ってみたところ、
やってみると意外に奥が深くて、
けっこう株式投資を楽しんでいるという人も
ときどき見かける。
何歳から始めても、株は面白いものであり、
それぞれに手応えのあるものである。
というのも、賭け事というより
推理小説を楽しんでいるようなものであり、
結果は金勘定としてあらわれるが、
面白いのはそのプロセスの追及であり、
しかもその結果は必ず数字になってあらわれてくるから、
それを読みきれなかった人の負けになる。」
(『シルバー・グレーの金銭学』)
なるほど、
「株は何歳からはじめても面白く
賭け事というより推理小説を楽しむようなものだ」
という言葉は年をとってから株をはじめる人にも
元気を与えてくれるところがありますね。
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