第708回
持株以外の株にも関心を持つことが大切です
中国の株を買うようになって、
もう8年近い年月がたちました。
最初の頃は、お金を投じたあとに
経済の引き締めに遭遇し、
株価が値を下げ、暗澹とした気分になりました。
でも、3年前でしたか、
上海B株が大きく値をあげることが起こり、
投資に向けたお金は
5倍くらいにふくらみましたが、
その後、持っている株が
それぞれ値を下げましたので、
いまは3倍くらいまでにしぼんでいます。
しかし、しぼんではいますが、
ほかの地域でお金を動かしても、
これに相当する実績を挙げることは
できなかったように思いますので、
いまの中国大陸は日本人にとって
格好の投資場と言っていいでしょう。
ところで、私は
「買った株のことは忘れているくらいがちょうどよい」
という邱セオリーを信奉しており、
買った株と長くつきあうようにしています。
それはそれでいいのですが、
ついつい自分の持株の動きにばかり目を奪われ、
市場に新しく登場してくる
新顔との接触を怠ることになりかねません。
さて、そうなると、
市場に対する視野も狭くなり、
どんどん変化している
新しい動きに対する感度が弱まり、
柔軟な判断もできなくなります。
こういう状態を改善するには
どうしたらいいのでしょうか。
さいわい邱さんがおりおり
注目に値する中国の会社のことを
紹介してくださいますので
そうした会社に関心を向け、
新知識を深めていくことが
すぐに実行できる一つの方法でしょう。
たとえば、あるとき、邱さんは
「製紙メーカーは中国では成長株です」
とお書きになりました。
製紙メーカーといえば、
私などは、リストラに腐心している
日本の製紙会社のことが頭に浮かんでくるのですが
中国では経済の発展で、
工業製品を輸送する関係で
使用する紙の需要が高まっているといわれると
なるほどと思います。
そして、山東省の晨鳴(チェンミン)という
パルプの製造会社が深センB株に上場していて
高い業績を上げていることを知ると、
次にチャンスがあるときは
この株を買ってみようかという気が起こってきます。
こうした努力を持続することで、
いつも柔軟な判断と機敏な行動がとれるように
していきたいものです。
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