第704回
「自分の気に入った職業を選ぶことです」
邱さんは『仕事師は仕事を選ぶ』で
仕事を選ぶ場合の一つの基準として、
「自分の気に入った職業もしくは業種を選ぶ」
ということも挙げています。
「仕事を選ぶ人は、
何が成長産業かを考える前に、
それは自分にできる仕事か、
また自分に向いた仕事か、
と考えるほうが先決である。
世の中にこれからできそうな仕事は山ほどもある。
その中には他人がやれば成功するが、
自分だとうまくいかない仕事もある。
その反対に自分ならできる仕事もある。
最初、学校を卒業して社会に出たての頃は、
全くの白紙で臨むのだから、
あみだくじをひくようなところがある。
ひいたが最後、あとは糸のあとをたどって行くうちに、
よい結果になるものもあれば、
悪い結果に至るものもある。
十中九の人がそうした選択の場に立たされた時、
世間の常識に従う。
世間の常識とは、
『よい会社に勤めれば将来の心配がない』
ということである。
上場の一流会社が社員募集をすれば、
わっと応募者が集まる。
運よくそういう会社に採用されると、
しかるべき職場に配属されて、
しかるべき仕事を与えられる。
あとどういう運命が待ち受けているかは
神ならぬ身の知る由もないが、
トントン拍子の出世コースになる人よりも、
その反対の結果に終る人のほうが
多いに決まっている。
百分の一の確率に賭けるよりも、
一万分の一の確率に賭けるほうが
当たりくじにめぐりあえないのは
理の当然だからである。
もしそうだとしたら、
仕事を選ぶ時は世間の常識よりも
自分の好きな仕事場を選んだほうがいい」
(『仕事師は仕事を選ぶ』)
この邱さんのアドバイス、
たいそう実際的で、説得力に富んでいますね。
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