第703回
「人とお金の動き見れば、次の成長会社の見当がつく」
就職先を選ぶ要領について書かれた
『仕事師は仕事を選ぶ』で
邱さんは職業を選ぶ場合の基準のひとつとして
「どの企業が将来の成長会社なのか、
というふるい分けが必要である」と述べ、
次のような文章を書いています。
「安泰という点では、
一流会社なら倒産する懸念もないし、
サラリーが遅配になる心配もないだろう。
しかし、今日の一流会社が
30年後の一流会社であるとはかぎらず、
10年たち、20年たつうちに、
産業界の隆替が起こるから、
30年たっても大丈夫か、
という長期的な見通しも必要になる。
また隆替のたびに、
ある種の大企業が衰退し、
成長産業がそれに代わるから、
小さな会社のうちに就職して
企業の成長と相乗りできれば、
会社の中での出世も当然早くなる。
そういう角度から物を見る人にとって、
何が次の成長産業かというとらえ方は
きわめて重要であろう。」
(『仕事師は仕事を選ぶ』)
さて、次の成長会社をさぐりあてるための
目のつけどころといったものがあるのでしょうか。
そう思ってページをめくっていくと
同じ本の中で、次の文章に出会いました。
「小さな企業でも、
日が当たって多くの人に受けいれられれば、
大きな企業に成長するし、
反対に派手に見える成長産業でも、
飽和点に達して
人から忘れられるようになれば、
斜陽化していつの間にか倒産したり、
整理されたりして消えてなくなる。
ではどこを見ればこの会社は
成長会社だということがわかるのだろうか。
私はそれは人の動きと金の動きを見ていれば
大体の見当がつくと思っている。
私の書いた本に
『人が動く、金が動く』(PHP研究所)
という本がある。
どうしてそういうタイトルをつけたかというと、
人が動いて行く方向を見ると、
そこで新しい仕事がはじまっている。
またお金がどこに動いているか追っかけていくと、
そこでも新しい事業が始まっていることが
いやでも気がつくからである。
むろん、人の集まる所にはお金も集まるし、
お金の集まる所には人も集まってくる。
だから、人とお金の動いて行く方向を
注意深く観察していると、
次の新しい産業が何であるかの
大体の見当がつくのである。」
(『仕事師は仕事を選ぶ』)
次の成長会社を見つけ出す要領という
貴重なノウハウが披瀝されていますので
この知恵を借りて
次の成長会社を見つけ出したいものです。
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