| 第613回「最初は少しだけ、こわごわやればいい」
 『シルバーグレーの金銭学』には「若い頃の『財テク道楽』が老後の役に立つ」
 というタイトルの文章が掲載されています。
 株に投資をするにせよ、
 不動産に投資をするにせよ、
 若い頃から関心を持ち、
 実行に移しておくと、
 その体験が年をとってから役に立つ
 という趣旨のことが書かれています。
 ただ、この世の中には、年の若かった頃は
 仕事のことばかりに関心が向き、
 株のことなどに、関心が向かず
 株にタッチしないまま、
 年をとったという人もおられます。
 邱さんは『シルバーグレーの金銭学』で
 そういう人に向けて、
 株とのつき合い方について
 次のような文章を書いています。
 「そんなことをいっても、皆目、知識をもたない者は
 どこからどう始めたらいいだろうか。
 若い時からやっていれば、
 年をとってからでも自動車の運転はできるが、
 年をとってからの自動車運転は無理なのではないか。
 自動車の運転は、
 ある程度の運動神経を必要とするものであるから、
 確かに年をとってからでは
 習得に時間がかかる。
 しかし、株は、頭脳の働きに左右されるものであり、
 経済や社会の動向に対する知識や判断は
 年輪を重ねるにつれて上達するものであり、
 そういう立場に自分を置けば、
 自然に体験が積まれ、
 知識も養われてくる。
 だから最初は少しだけ、
 それもこわごわやればよいのであって、
 何も命を賭けろといっているわけではないのである。」
 (『シルバーグレーの金銭学』)
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