Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第611回
「株は海の上だからよく揺れる」

邱さんは『シルバーグレーの金銭学』
定期預金を陸上運送だとすれば、
株式投資は海上運送と考えるとわかりやすいと述べ、
それに続けて次の文章を書いています。

「船に乗るのは安全か、と聞かれても困る。
今は大半の旅行者は飛行機に乗るようになったが、
荷物はやはり船に載せる。
大事なお金を船に乗せて
大海に出して大丈夫かどうかは、
船にもよるだろうし、
船長以下乗務員たちの
舵の取り方にも左右される。

小さな船なら途中で難破する確率は高いが、
大きくてもダメージを受けることもある。
そういう時は、株価も大揺れする。
しかし、よほどのことがなければ、
船はいつか港に着くもので、
どこの港で降りるかは、
お客様である株主の自由意思に任されている。

ただし海の真ん中で降りると駄々をこねても無理で、
そういう時は海の中に飛び込むか、
ボートを下ろしてもらって
自分で港まで漕いで帰ってもらうよりほかない。

株式投資に慣れていない人は、
船に乗るのに慣れていない人のようなものである。
船に酔って吐いてしまったり、
航海の途中で嵐に遭って、
救命ボートに乗り移る時のことばかり想像して肝を冷やす。

もちろん、最悪の場合も想定してみる必要はある。
だから大波に弱い老朽船や小さなヨットに乗って
太平洋を横断するような冒険は避けたほうがいい。
船といっても、コンテナ船もあれば豪華客船もある。
航海日和もあれば、波の高い日もある。

定期預金だって
期日が来るまでは下ろせないのだから、
株も自分の買った値段より
高くならなければ売れないものだと思えば、
焦ることはない。
なまじ日々の相場が新聞に載っているために、
一喜一憂したりするが、
航海に慣れてくれば、
波の高い低いくらいのことはそう気にしなくなるし、
進路を変更するようなことにもならないものである。

定期預金から株式投資に財産を移すことは
そんなに困難なことではない。
陸に利がなければ、
海に乗り出すのはごく自然のことであって、
いくら揺れても慣れれば
心配するほどのことはないものである。」
(『シルバーグレーの金銭学』)


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