| 第610回「株式投資は海上運送と思えばよい」
 邱さんが、株とはこういったことだと表現した文章として
 すぐに私の頭に浮かんでくる文章があります。
 それは、平成元年に発刊された
 『シルバーグレーの金銭学』で出会った文章で、
 「株式投資は海の上を走るようなものだから、よく揺れる」
 と書かれていました。
 自分が株を買ってみて始めて知ることができた株の性格が
 的確に書かれているように思えたので、
 いまでも記憶に残っているのでしょう。
 その文章を抜粋させていただきます。
 「株は上げ下げは激しい。個々の銘柄でいえば、
 斜陽化して影の薄くなってしまったものもあれば、
 倒産して株式市場から姿を消してしまったものもある。
 しかし、全体としてみると、
 ダウ平均は日本の産業界の発展を反映して
 起伏を乗り越えて新値を更新してきた。(中略)
 と、同時に、株価はその時々の景気不景気、また個別的な業績不振を反映する面もある。
 だから800円で買った株が1500円にもなる代わりに、
 500円まで下がることもあるかもしれない。
 こういう揺れに耐えられない人は、もとより株には不向きであるが、
 それは船に乗ると船酔いがして
 寝込んでしまう人がいるのと同じである。
 そういう人に『財産を株で持つ』ことを
 すすめるわけにはいかないが、
 定期預金は陸上運送で、
 株式投資は海上運送と思えば
 わかりやすいかもしれない。」
 (『シルバーグレーの金銭学』)
 この続きは次回に紹介させていただきます。 |