第603回
「株は安全性の高いバクチです」
映画の世界に生きる青年から
セミナー参加の意向を伝えていただいて
面白かったことのひとつは
その青年が
「邱先生の文章と出会い、
株式投資のことを知りました。
以前は、株への投資は単に
博打としか見ていなかったのですが、
資産運用の方法のひとつとして
提示されていることが驚きでした。」
と伝えてくれたことでした。
私はこの青年からのメッセージに刺激され
どこかに邱さんが株とバクチの関係について
書いた文章があったなあと思って
『株の原則』のページをめくりましたら
以下の文章に出会いました。
「生来、運の強い人というのがいるものです。
宝クジで当たるのは、どうみたって運です。
私はぜんぜんやりませんが、
競馬や競輪も運の強い人と弱い人では
大違いじゃないでしょうか。
こればかりは、理屈では
説明できないところがあります。
うちの二番目の息子なんかクジ運が強い。
クジを引くときは、
『おまえ、行け』といっていつも行かせる。
たとえば、マンションを買った。
300軒はいっているけど、車庫は30しかない。
みなさん集まってクジ引きをするんですが、
そういうとき、息子を行かせると、
かならず当たりを引いてきます。
たしかに運の強さは、
人によってあるようですけれども、
それがそのまま株式投資に通用するとはかぎらないですね。
株式投資には、思考力とか忍耐力とか、
ただの運とは別のものが要求されます。
そういう条件がそろって、
なおかつ運の強い人はいるかもしれません。
株式投資では、
バクチ運は無視できないような気がします。
やはり、広い意味ではバクチの一種ですから、
思考力や忍耐力や、すべてを通して、
スペキュレーションがタテ糸になっている。
スペキュレーションのおもしろさがなかったら、
株をやる人なんかいないでしょう。
しかし、逆にこういうことはいえる。
バクチ運以外にほかの要素が、
たくさんはいっている分だけ、
やり方によっては、
ひじょうに安全性の高いバクチ、ともいえます。
モトが全部なくなるということはめったにないんです。」
(『株の原則』)
この文章に続く部分を
次回に引用させていただきます。
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