第597回
「夢中にならないと成功できない」
邱さんの『野心家の時間割』を愛読している
と伝えてくださった青年は、
この本に書かれている
「“職住近接”で合理化を実践すべし−都心暮らしのすすめ」
に触発され、
自宅から大学のキャンパスへの通学をあらため、
大学のキャンパス近辺で
一人暮らしを始めたとのことです。
この一事からしても、
この青年が邱さんのアドバイスに
熱心に耳を傾けていることがわかります。
青年は、この『野心家の時間割』の中に出ている
「『寝食を忘れさせる』ほどの仕事を探せ」
という言葉をかみしめているといいます。
その部分を抜粋させていただきます。
「何が重要なことであるかという判断は
人によってそれぞれ違う。
お金儲けが最重要と考える人もあれば、
立身出世が大切と思う人もある。
また遊ぶために働くのだから、
遊びの時間を短縮するわけにはいかないと
考える人もある。
さらにはまた学問的な業績をあげることにだけ
生きがいを感じている人もあれば、
ボランタリー活動に全精力を継ぎ込んでいる人もある。
つきつめていけば、
それはその人の人生観とか、
哲学の問題であるから、
どの考えが正しくて、
どの考え方は間違っていると
断言することはできない。
しかし、何か自分のやり遂げたい仕事があって、
その目的のために犠牲を惜しまない人は、
俗に言うように『寝食を忘れる』くらいでなければ、
とても成功はおぼつかないであろう。
たとえば、本田宗一郎さんが
新型エンジンの開発に熱中していた時分は
よく48時間も飲まず食わずで働くことが多かった。
本田さんはそれでもよかったかもしれないが、
つきあわされた若い部下たちはたまったものではない。
『本当は僕たち、かくれて食べていたんです。
でもそれをいうと、
張り倒されるかもしれなかったので
こっそりと食べていたんです。
いまだからいえることですけど・・・』
と、あと社長を引き継いだ河島喜好さんが
いっていたのをきいたことがある。」
(『野心家の時間割』「『寝食を忘れさせる』ほどの仕事を探せ」)
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