第591回
要人との対談で中国の前途を楽観するようになりました
邱さんは昭和63年(1988年)ごろに
香港でマンションを買い、
香港の不動産が高利で回ることを知り、
その関心が深まりますが
当時、香港は9年後の1997年に
中国大陸に返還されることになっていました。
そのため香港の不動産に投資するとすれば、
香港の将来がどうなるかの予測が必要になり、
そのためには、香港から中国大陸に入って
大陸の未来を明らかにする必要があります。
そこで、邱さんは昭和63年の8月、
生まれてはじめて、北京の地を訪れました。
そのとき、邱さんを中国で迎えてくれたのは
中国政治協商会議の副主席をしていた谷牧さんでした。
谷牧さんは経済特区の設立にかかわってきた人であり、
経済関係の最高責任者であっただけに、
経済に精通していて話がはずみ、
谷牧さんから
「邱先生にこれから度々おいでいただいて、
我々にもお金儲けの話をしていただきたいですね」
と言われるようになります。
邱さんは中国政府の要人が
お金儲けのことを口にする場面に接し、
「これで方向は決まったようなものだ」
と、中国の前途を楽観するようになりました。
そして日本に帰ってきてから
以前から話のすすんでいた香港のビルの買収に
ゴーサインを出しました。
こういう過程をへて、
邱さんは友人たちに香港の不動産への投資を
薦めるようになりました。
が、当時の状況を考えると、
ほとんどの人は
邱さんから投資話を聞かされても、
半信半疑だったでしょうね。
もっとも、邱さんの周辺には
「センセイがおっしゃるならついて行きます」
と波長を合わせる人が結構いますから
そうした人たちが、
香港のマンションに
買いの手を入れたのでしょうね。
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