第587回
邱さんは日本で初めてビジネスホテルを創設しました
邱さんは日本で最初に
ビジネス客の客室に特化したホテルをつくり
それに「ビジネスホテル」と名づけました。
そのホテルは「渋谷ビジネスホテル」といい、
渋谷駅から歩いて2分という
ロケーションのいいところにあり
その近くに邱さんの東京の事務所があります。
いまから四半世紀前のことですが、
私は生まれて初めて買ったマンションを買う時、
邱さんの事務所の近くなら
ロケーションとして大丈夫だろうと思って
事務所の近くにあるマンションの一室を買いました。
それから時がたち、
私はそのマンションの管理組合の役員させられて、
その関係で月に一度ほど、
この渋谷ビジネスホテルの前を通っています。
そして、ホテルの前を通るとき、
邱さんがこのホテルを着想したときのことを
頭に浮かべます。
邱さんが「ハイハイQさんQさんデス」
で話されているところによれば
「私が前にビジネスホテルを作ったのは、
地方から東京に出張してこなければ
いけない仕事を持った人がたくさんいて、
その人たちの出張費に較べて、
一流ホテルのホテル代が高すぎるために
その人たちが足を出さないように
泊まれるホテルを作るべきだと言って始めたものです」
とのことです。
そして邱さんは
このビジネス客専用のホテルをつくり
「ビジネスホテル」と名づけた頃は
「ビジネスホテル」と名がついたホテルは
邱さんが創設したホテルだけだったとのことですから
大きなビジネスチャンスを切り開いたことになります。
そして、そのあと邱さんは、
「ビジネスホテル」という新商売について
あちこちで話し、
手の内を見せて回ったそうで、
いかにも邱さんらしい話ですね。
そして、いま全国のマチと云うマチには
「ビジネスホテル」と名のつくホテルが
ぎっしり立っています。
この話、論語のなかの
『人よく道を弘む、道、人を弘むにあらず』
をわかりやすい形で説明してくれる事例です。
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