Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第574回
「中国に赴任できたら最高です」

今回のセミナーには
自動車会社で生産技術の仕事をしている
27歳の青年も参加してくださいました。
彼は「セミナーに何を期待しますか」
という私の質問に対して
次のように答えてくれていました。

「私が今悩んでいることは
 今後の仕事の選択についてです。
 私は就職するにあたって特に夢もなく、
 なんとなく今の会社に入りました。
 自動車会社に入ったからといって、
 特別に自動車というものを愛しているわけでもなく、
 周囲とのギャップを感じています。

 待遇に不満はありませんが、
 はたして今の仕事を一生の仕事としてよいものか悩んでいます。
 私は、学生時代に留年しているくらいで
 頭がいいとは言えませんし、
 行動力も決断力もコミュニケーションの能力も
 人並み以下だと思います。
 仕事をやっていく上で大事なセンスというものも
 欠けているのだと思います。
 いわゆる『できる男』ではありません。

 そんな私ですが、それでも
 『自分の人生で何をするか』ということについて、
 いつも考えてしまいます。
 幸運にも日本という平和で豊かな国に生まれたのだから、
 できれば小さくても後の世代に誇れる仕事をして、
 生きがいを感じたいと考えています。

 そのためには、これからも今の会社でがんばるべきか、
 同じ会社員でもより将来性のある業界・会社なのか。
 大学に戻り学問の道を志すべきか。
 あるいは独立や起業も視野に入れるべきか。
 働くステージは、日本か、海外か。

 そのようなことについて考え、
 決めるためのヒントやきっかけがつかみたいと思っています」

こういう素直な告白と期待を受けると、
こちらの方もおのずと身が締まりますが、
彼はセミナー3回目で次のように発表しました。

「クルマづくりという仕事が私の天職かどうか、
 判断するだけの材料は残念ながらまだありません。
 結論を出すにはまだ年数が足らないのかもしれません。
 
 ところで今、勤めている会社が社運をかけて
 中国に進出します。
 自分はいま携わっているプロジェクトから
 そろそろ離れることになるので、
 ぜひこの中国向けプロジェクトに携われるよう
 周辺の人にもアピールしたいと思います。
 もし現地へ行くことができたら最高です」

青年には未知への冒険の旅が
一番の刺激剤なのかと思いました。
そして私の脳裏には邱さんが平成7年に出版した
『日僑の時代−世界に富をもたらす新しい伝道者たち』
頭に浮かんできました。


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