第552回
海の向こうの話は面白い
古書検索サイト「紫式部」さんが
サイト内にコラム欄を設けることになり、
「紫式部」の検索システムを使って
古本屋を経営している門脇さんは、
その発起人の一人として
海の向こうで活動している人の話が面白いと考えたようで、
前回ご紹介しましたとおり、
タイで生活されている娘さんご夫婦に、
エッセイを書きませんかと打診されました。
門脇さんはその延長で、
私の長男が
カリフォルニアに留学していることをご存知で
「戸田さんのご長男さんにも
書いていただけませんか」
と言って来られました。
私の長男は、2年ほど前に、
シリコン・バレーに渡っていましたが、
門脇さんから打診があったときには
留学先をカナダのトロントに変え
アメリカ大陸を西から東に横断して
当地に向かう直前でした。
カリフォルニアからカナダのトロントに
自動車で横断するには一週間強かかるようです。
そうした横断の毎日の体験を
私たちに伝えてきてくれたのは長男ではなく、
長男の嫁でした。
今日はどこにいった、明日はどこに行くと、
写真入りで、私の妻のパソコンに
毎日、メールを送ってくれました。
妻は最新の大きな世界地図を買ってきて
そこに長男夫婦の移動状況を書き入れ、
嬉々として私に伝えてくれました。
私もその都度見せてもらいましたが、
なかなか面白く書かれたレポートだと感心し、
仮に「紫式部」さん向けに
エッセイを書いてもらうとすれば
長男ではなく、嫁のほうがいいと考えました。
そこで、長男夫妻がトロントに着いたころ
長男の嫁に
「エッセイを書く話が舞い込んで来ているのだけど、
書いてみませんか」と打診しました。
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