第528回
40歳からも新しい工夫を凝らしましょう
私が40歳になるかならないかの頃、
邱さんの文章を読むと、
独立するラスト・チャンスが40歳で
その後もサラリーマンを続ける人は
宮仕えが自分に一番向いていると思って、
定年まで勤めあげるほかないだろう
とおっしゃっていました。
「ちょっとキツイなあ」
と思いながらもその文章に
素直に耳をかたむけるよりほかありませんでした。
それから20年の年月がたち、
その間、自分の周辺で起こっている動きを観察すると、
やっぱりほとんど大半の人は、
「宮仕え」の生活を続け、
会社で命じられるままに仕事を続け、
定年を迎えて退社するというコースを辿っています。
関連会社の役員などに選ばれたりして、
人より多少、長く仕事につくことができる人もいますが、
あとを追いかけてくる人がたくさんいますから、
早晩、席を明け渡さなければならず、
いずれ、一足先に定年後の生活に入った人たちと
さして変わらない生活に入っていくようです。
私なども、
40歳以降もサラリーマン生活を続けたという意味では、
そうしたコースを歩んだ人と
さして変わりはないコースを
歩いているのかもしれませんが、
邱さんから定年後の仕事がなくなるようなことは
避けた方がいいとアドバイスをいただいていましたので、
40歳のときに、
経験したことのない仕事に取り組むように心がけ、
新しい仕事を創り出す仕事を担当したりして、
事業経営の根幹に触れるような仕事をしたので、
それらを踏み台にして、50歳を節に、
自分の才覚で生きる要素の高いコースに飛び移りました。
そうした試みが今後、
効を発揮し続けてくれるかどうか、
未知数ですが、それでも長い間、
背負っていた会社の看板をはずしても
なんとか生きられるものだ
ということを体験できましたから、
大きな看板への依存心が薄らいだ分だけでも
マシかなと思っています。
|