第522回
「知識も技術も人間関係も投資です」
自分が60歳になり、周囲を見渡すと、
会社の看板をはずしても
元気に活躍している人たちと、
会社をやめた途端に元気をなくしている人たちとの対照が
目に付くようになりました。
どこに違いがあるかと言えば、
私の観察によれば
その人自身がこの世の中と接点を持っているかどうかです。
そして世の中との接点を持ち、
自分を活かしている人は
会社を辞める前から、
その人なりの準備をしていることです。
邱さんの『貧しからず 富に溺れず』に
「知識も技術も人間関係も投資です」という章がありますが、
この章の文章を読むと、
このことが書かれているのです。
邱さんの文章を引用させていただきます。
「効率ということを考えれば、
私はサラリーマンや駆け出しの自営業者は、
お金を貯めることよりも、
知識や技術を蓄積した方が
自分の人生に役立つように思う。
何がその人にとってかなうことであるかは、
むろん、人によって違う。
前にふれたように、
貯金のすべてを旅行に注ぎ込む人もあれば、
お金の全部を資格をとったり、
本を買ったりすることに使ってしまう人もある。
カーキチで、月給の中の可処分所得の大半を
車の月賦と修繕代にまきあげられてしまっている人もある。
どれが得で、どれが益か、は
残念ながら一言で、
はっきりきめつけることはできない。
一生、本を読み続けても
実生活にその知恵を活用できないでいる人もおれば、
カーキチがこうじて自動車のエキスパートになり、
ベストセラーズの自動車の本を書いて
今までに注ぎ込んだお金は
全部とりもどしたという例もある。
そういった意味では、
一見、無駄金を使っているように見えても、
それが次のステップへの投資である場合もあるし、
どちらにしても、お金を貯めても大したことがなければ、
『知識』に投資をしたり、
『技術』に投資をしたり、
または『人間関係づくり』に投資した方がよい。
とりわけお金を貯めたり、ふやしたりが苦手な人は、
その人の長所を伸ばすようなことにお金を使うに限る。
使ったお金が身につくかどうかが、
リコウとバカの違いということになる」
(『貧しからず 富に溺れず』)
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