Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第520回
「旅の醍醐味を覚えた人は、人生を上手に生きる」

邱さんは旅行がお好きで、旅についての著作も
『食指が動く』(中公文庫)からはじまって
『お金持ち気分で海外旅行』(PHP文庫)とか
『旅が好き、食べることはもっと好き』(新潮文庫)とか
『旅は電卓と二人連れ』(新潮文庫)
『中国の旅、食もまた楽し』(新潮文庫)
と多彩です。

このように旅行が好きな邱さんのもとには
旅行好きの人が集まる傾向があるように思うのですが、
いま、活発にツアーを主宰されている邱さんも
ある時期は旅行会社が主催するグループツアーに
お客さんとして参加されたようです。
そうしたときに、
邱さんはツアーに参加している人たちを観察し、
その特徴を次のように書いています。

「まず第一に、旅行好きの人たちはあまり
貯金はできないかもしれないが、
あまり先のことも考えていない。
日本のような国に生まれれば、
終身雇用制もあるし、
ある程度の退職金も約束されているし、
また年金の支給を受けることもできる。
だからあまり老後の心配はしないですむのだろうが、
旅行のためにお金を使う人は
一般的に楽天的な人が多いように思う。

第二に、旅に出て広く見聞している人たちは、
自分より上の生活をしている人たちも見ているが、
もっとずっと悲惨な生活をしている人にも接している。
すると、自分の生まれた環境についても
納得できるようになって、
『まあ、こんなものだなあ』と
『足るを知る』ようになる。
このことは人生を生きていく上で、
心を安らかにする大切な条件の一つであるといってもよいだろう。

第三に、旅に出ると、
お金は使うかも知れないが、
財布が淋しくなって職場に戻ってくると、
また働く意欲を起こすようになり、
サラリーマンのストレス解消策としては、
カラオケの比ではないから、
旅の醍醐味を覚えたものは、
人生を上手に生きるようになるのではないか。
成熟社会になればなるほど、
旅行が盛んになるヒミツが
そこにひそんでいるように思う。」
『貧しからず 富に溺れず』

この文章が書かれてから20年の年月がたち、
この間、世の中は変化していますから、
いまの時点では多少の修正が必要なのかもしれませんが、
「旅行が盛んになる」という傾向には
変わりがないのではないでしょうか。


←前回記事へ 2004年1月29日(木) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ