第482回
株に対してどういう態度をとっていますか
「株に対する態度」という邱さんの言葉が
興味をひくと書きましたが、
邱さんが株について書いた文章を読んでいると
この言葉にときどき出会います。
たとえば、15年前に出版された『株が本命』の
次の文章にもこの言葉が織り込まれています。
「私もたまには銘柄をあげて推奨することがある。(略)
しかし、株式市場全体がモーローとして
霞の中にかすんでいる時とか、
かねて狙いをつけていた株が
すべて値上がりをして、
もう一度はじめから考えなおさなければならない時は
私自身もどうしてよいのかわからないのだから
人にすすめることができない。
私に言わせると、
株は『どの銘柄を選ぶか』も
もちろん一つのキーポイントだが、
それよりもっと大切なことがある。
それはその人の株に対する態度だろう。
株に対する態度がぐらぐらしているのに、
『あがる株をみつけだせばよい』
とただ虫のよいことを考えていたのでは
所期の成績を上げることは到底できない。
というのは、株で儲ける人も、株で損する人も、
同じ株を買っており、
ただ株を買うタイミングや
株を持ち続ける期間や株を売るタイミングに
違いがあるだけのことである。
この違いは株に対するそれぞれの人々の
態度から生ずるものなのである。
大事なお金を何百万円、何千万円も投じるのに
自分は何の勉強もせず、
全くのあなた任せで株を買う人がある。
証券会社のセールスマンに
すすめられるままに買う人もあれば、
講演会に行って話をきいて買う人もある。
何をきいても、なるほどと思うだけで、
何もやらない人にくらべれば、
すぐに実行に移す人の方がましだ、と私は思うが、
あんまり気が多くて、食卓に出てきたものは
何でも食べてしまうと、
お金も続かないし、胃袋がもたない。」
(『株が本命』「入門は易、免許皆伝は難し」)
こういう文章に接すると、
自分は株に対してどういう態度をとっているのだろうと、
自分自身に問いかけることになります。
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