| 第481回「大切なのは株に対する態度です」
 前回、邱さんの本を読んで、自分の非をさとり、
 持株の入れ替えを指南してもらうべく、
 邱さんをたずねていった
 70歳のお年寄りのことを紹介しましたが、
 持ち株の入れ替えをめぐって
 邱さんがその老人と交わした会話の一部を
 抜粋させていただきましょう。
 「『私(注:邱さんのこと)のやり方と証券会社のやり方はまるで違います。
 証券会社は、手数料かせぎが目的だから、
 お客に盛んに売り買いをすすめる。
 相場のアヤのようなところをとらせようとして、
 客をひきずり込む。
 私はこれから2年間のあいだ、
 一度買った株は売らないで
 じっと持っているといったようなやり方をしますから、
 一方で私の考え方をきき、
 もう一方で証券会社の支店長のいうことに耳を傾けると、
 しまいにどっちについてよいか
 わからなくなってしまうおそれがあります』
 『その点は大丈夫です。いままでのやり方が間違っていたことに
 気がついたのですから、
 また同じ愚をくりかえしたりしませんよ』
 しばらく話をしていると、田舎の老人とは思えないほど要領を心得ている。
 70歳になってから私の本を読む気になること自体が珍しいが、
 70歳すぎて株に手を出し、
 その原因結果について研究心を発揮するのも、
 全く異例に属する。
 実年齢より若々しく見えるのも、
 そうした生活態度を反映したものであろう。」
 (『株の発想』「なぜ銘柄を教えない」)
 邱さんはこの老人が自分のお金を4つ程度の銘柄に集中投資している態度に好意を寄せ、
 次のようなコメントを加えています。
 「私のところへ電話をかけてきて、『銘柄を教えろ』と盛んにいわれるが、
 私がそうした投資家に返事をしたがらないのは、
 株は銘柄でなくて、情報を選び、
 それにどう対処するかという態度が
 問題であると思っているからである。
 週刊誌的発想でも、証券会社的発想でも
 株でお金はもうからない」
 (『株の発想』「なぜ銘柄を教えない」)
 ここで、邱さんが「株に対する態度が重要だ」と指摘されているところが興味をひきます。
 |