第474回
「株式投資で一番求められるのが辛抱強さです」
平成2年に出版された『金儲け発想の原点』は
邱さんが、考えそして行動するばあいに
心がけていることの根源に触れています。
その一連の記述のなかに
株に投資をする場合の要点がまとめられています。
これまで勉強してきたことの復習をかね、
次の文章を読みましょう。
「辛抱強さは人間に要求される徳性の1つであろう。
辛抱強さが如何に必要なものであるかは、
辛抱できなかったために損をしてみるとよくわかる。
辛抱強い人とそうでない人との差が一番よく出てくるのは
株式投資であろう。
私が株を買う時は大体、
2年か3年を1つのメドとして、
その間に株価が倍になるかどうかを考える。
株をやる人の中には、
『自分はそんなに欲張らない。
20%も上がれば、喜んで売るし、
逆に20%損をしたら、
見切りをつけて売り払う』
という人がある。
株にはいろんなやり方があるし、
やった結果が、ちゃんと利益をあげればよいのだから、
どんなやり方でも決して間違いではないが、
20%を6回やって倍とるよりは、
いっぺんに倍の方が確率が高いし、
手数料も少なくてすむ。
その代わり株価を動かす経済界のトレンドを
見誤らないことが何より大切である。
株価の動きを見ていると、
1つのトレンドが起こって絶頂までに達するまでに、
企業の業績は2倍にも3倍にもはねあがる。
期間的に見ると、2年くらいかかることも多いが、
3年つづくこともある。
そこで、新しいトレンドに相乗りした銘柄を見つけて
2年か3年じっと売らずに持続すれば、
株価が倍になってお金が儲かることは
決して珍しいことではない。
問題はトレンドの読み方を間違っていないかどうか
辛抱できるかどうか、であり、
この2つのうちのどちらかが難しいかというと、
後者の方がずっとむずかしい」
(「一に辛抱、二に辛抱、三に辛抱」
『金儲け発想の原点』に収録)
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